東京タワーは、映画の中に出ていなかったような・・・。
家族の良さと東京って何だろうなと
考えさせられた映画でした。
豪華なキャストの顔ぶれです。
Amazonプライムで見ました。
「東京家族」とは?
小津安二郎監督による
「東京物語」(1953年)の
リメイク版です。
キャッチコピーは
「おかしくて、かなしい。
これは、あなたの物語です。」
監督は山田洋次、音楽は久石譲です。
2013年1月、公開されました。
2014年には、
日曜洋画劇場の特別企画として
テレビ放送されています。
あらすじ
瀬戸内海の小さな島で生活している
平山周吉(橋爪功)と妻のとみこ(吉行和子)。
子ども達に会うために、
東京にやって来ました。
子ども達は、皆、
東京に住んでいます。
長男の幸一(西村雅彦)は、
妻(夏川結衣)、二人の子ども達と
東京郊外に住み、自宅で開業医をしています。
長女・滋子(中嶋朋子)は、
庫造(林家正蔵)と結婚し、
美容院をしています。
親に心配ばかりかけてきた
次男の昌次(妻夫木聡)は、
今は舞台美術の仕事をしています。
周吉夫妻は、東京の長男宅に泊まったり、
長女宅に泊まったりしますが、
長男は、医者の仕事が忙しく、
両親を観光に連れて行くことができません。
長女は、美容師の仕事や商店街の行事などで
忙しく暮らしています。
そこで、両親の面倒を見ることが大変なため、
両親をホテルに宿泊させようとします。
しかし、
横浜の高級ホテル2泊3日を
子ども達からプレゼントされた二人は、
やることもなく、1泊で帰ってきてしまいました。
長男の家も、長女の家も泊まることができません。
妻とみこは、次男の家に泊まりました。
次男の家に泊まり、楽しそうなとみこ。しかし・・・。
感 想
豪華なキャスト陣
両親、長男、長女、次男、
長男の嫁(夏川結衣)、次男の恋人も
豪華なキャスト陣です。
役に違和感なく、
すっと登場人物を見ることができました。
特に、次男の妻夫木聡が、
上手いなと感じました。
兄弟の特徴
この兄姉弟を見ていると、
ああ兄姉弟ってそういう感じだよね、
かるー、
という気がしました。
長女は一人でしゃべっていて、
うるさくて、やや自己中な感じ。
兄や弟をしきり、
両親にも結構言いたいことを
言っています。
でも、こういう人っていそう・・・。
東京と瀬戸内海の島の違い
「東京」という名前から、
お洒落な東京に住む子ども達を
イメージしましたが、
長男は、東京郊外、
長女はスカイツリーの見える下町、
次男も安そうなアパートに住んでいます。
家が狭そう。
平成における家族の物語ですが、
子ども達の家も昭和の家っぽい感じもします。
両親の家は、瀬戸内海にある島。
のどかで景色も美しく、
家も広くて風通しが良さそう。
近隣関係も上手くいっています。
親と子どもの生活のスピードの違い
両親が東京にやってきて、
長男、長女、次男も
歓迎の気持ちで迎えました。
しかし、そのうち、
うちには泊められない、
いつ島に帰るのだろうという気持ちに
なっていきます。
親の存在が
お荷物のようになっていくところが、
寂しく悲しく感じます。
孫達も、祖父母を歓迎、という思いはなさそうです。
みんな自分の生活が忙しすぎて、
親に来られると、大変そうです。
横浜のホテルに2泊3日、泊まることは、
忙しく暮らしている人ならば
高級ホテルでゆっくりできて
楽しいかもしれません。
しかし、定年退職後、
田舎でゆっくり暮らしている夫婦にとっては、
楽しくはないだろうなと思い、
周吉夫妻に同情しました。
お母さんが素敵
お母さんが優しくて素敵です。
お母さんは、優しくて、
家族の中で、潤滑油です。
「お母さん」って
こういう人のことを
言うんだろうなと思った。
このお母さんがいたら
家族が保たれる気がします。
嬉しそうに恋人のことを話す昌次と
嬉しそうに話を聞くお母さん。
二人とも幸せそうで、
何だかこちらまで
嬉しくなるようなシーンでした。
お父さん
お父さんの次男に対する思いに
じーんときました。
親の今後が心配
高齢者施設で働いていた私としては、
将来、親の介護問題が出たら
この家族は、大丈夫かなと思いました。
親の思いと子ども達の思いを
すりあわせながら、
この家族は
今後どういう選択をしていくのかなと思いました。
その時、また東京家族の物語が進む気がします。
実家にいた時は、
同じスピードで生きていたはずなのに、
実家を離れたことで、
家族のスピードが変わっていきます。
仕方のないこととは言え、
少しさみしく思えました。
子ども達には、
自分の生活があるため、
親を受け入れられない気持ちと
親を大事に思う気持ちの
2つを感じた映画でした。
でも、家族の優しさも暖かさも
感じられた映画です。
小津安二郎監督の「東京物語」も
ぜひ見てみたいと思いました。
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