前回は、介護療養型医療施設とはどういう施設か、
どういう印象だったかについて書きました。
今日は、仕事内容についてご紹介したいと思います。
※私が経験した介護療養型医療施設での仕事のお話です。
すべての施設に共通するわけではありません。
仕事内容
私の病棟は40床です。
4人部屋が10部屋あります。
日勤では、2部屋くらいを受け持ちます。
同じ病棟の職員は、看護師長、看護主任、
看護師、看護助手リーダー、看護助手がいます。
看護師と看護助手が協力しあって、
仕事をしていきます。
私は看護助手でした。
仕事は、
おむつ交換、食事介助、胃瘻や経鼻栄養の準備、
手・足浴、移乗(ベッド⇔車いすへの乗り換え)、
口腔ケア、入浴介助、簡単な清掃でした。
おむつ交換
車いすに乗って、職員の介助でトイレに行ける人は
40人中1〜2人くらいでした。
その他の人は、おむつでした。
朝食後、昼食後、夕食前、夕食後、
夜中2回くらい、明け方に
おむつ交換があります。
体位交換(寝返りのお手伝い)は
2時間毎に行います。
重度な方が多いため、
おむつ交換時、注意しないで体位交換をすると
ベッドの柵に身体や顔を打ち付けてしまいます。
そうなると、打撲だけではなく、
骨折の危険性もあります。
普通は、身体を右に向けても
上半身と下半身の動きに時差があり、
一緒に動かないので、
ゆっくり右に向きます。
しかし、拘縮が強い人の場合、
右に向けると、
上半身と下半身が1本の丸太のように
ごろっと一気に右を向いてしまいます。
そうすると、勢いがついて、
柵に顔や身体をうちつけてしまったり、
反動で肩を巻き込みつつ、
うつぶせになりそうになります。
ですから、勢いがつかないように
慎重に体位交換やおむつ交換をします。
夜勤はひたすらオムツ交換ということには、
有料老人ホームの時の夜勤と変わりません。
食事介助
自分で食べられる人は、40人中、
2、3人でした。
職員の介助で食べられる人は、
3、4人でした。
他は経管栄養か中心静脈栄養でした。
経管栄養とは、胃瘻(いろう)が
一番よく知られています。
経管栄養とは、
食事を口から摂れない患者さんに対し、
鼻から直接胃に管を通したり、
食道(食道瘻)や胃(胃瘻)などに穴を開け、
チューブを使って栄養補給を行うことです。
看護師が鼻からきちんと胃にチューブが
通っているのかを確認します。
看護助手は、経管栄養の準備や後片付けを行います。
有料老人ホームの時は、看護師が夜間常駐ではなく、
胃瘻の人は受け入れが可能でしたが、
経鼻栄養の人の受け入れはできませんでした。
中心静脈栄養とは、
一般的には鎖骨下を通る静脈から
中心静脈(心臓の近くにある太い静脈)に
カテーテルを挿入して、
高カロリーの栄養輸液を直接注入します。
中心静脈栄養の方は、
常に管が身体についていますので、
おむつ交換時など、
うっかり管を引っ張ったりしないよう、
注意が必要です。
手・足浴
入浴や食事時とは別に
週に1回、手と足を洗うお手伝いをしていました。
寝たきりの患者さんが多いので、
ベッド上で洗います。
気をつけて、お湯を使わないと
気がついたらベッドや病衣が
びしょびしょになるということも。
身体が固まってしまっていて、
こぶしをいつも握っているような状態の
患者さんもたくさんいます。
これ以上、固まらないように
お手玉などを手に握っていただいていました。
毎週、洗っているおかげで、
足の臭いや手の臭いが気にならなかったです。
水虫のある方は、もっとこまめに洗いました。
移乗(ベッド⇔車いすの乗り移り)
入浴時やリハビリの時はベッドから
車いすに移って頂きます。
太ってきた方のダイエット目的のこともあります。
麻痺が少ない方は、職員一人でも抱えられますが、
全身麻痺の方は体重以上に重く感じます。
重度な方を職員一人で無理して乗り移りをすると
骨折などケガや事故につながります。
かなり細い方は
ちょっとぶつけただけで、
皮がゆでたジャガイモのように
ピリっと皮がめくれてしまいます。
有料老人ホームと違うのは、
乗り移り時、無理をしないで
2人(重い方や管の多い方は3人)で
行うのが大きく違いました。
慎重に乗り移りを行っています。
口腔ケア
経管栄養や中心静脈栄養のため、
食事をしない人が多いので
唾液が出ないためか、
口腔が汚れている患者さんが多かったです。
朝は特に臭いと汚れがきついです。
臭いに吐きそうになることもありましたが、
気合いを入れて、口腔ケアをします。
歯ブラシ、舌ブラシ、歯間ブラシ、
口腔内のクリームなど
あらゆるものを駆使します。
歯を磨くということが理解出来ないためか、
急に歯を強い力で閉じようとする
患者さんもいます。
口腔内にうっかり指を入れると、
噛みちぎられてしまいますので、
気をつけながら行います。
一瞬の気の緩みも許されず、
怖い瞬間でした。
入浴介助
入浴は機械浴のみでした。
ベッドで寝ている患者さんを
ストレッチャーにお乗せし、
浴室に運びます。
全身を洗いますが、
身体に貼られているテープを外しても良いのか、
身体から出ている管が濡れないように
注意しながら行います。
強くこすりすぎて肌が裂けないよう、
握りしめた手の中など洗い残しのないよう洗います。
簡単な清掃
有料老人ホームの時は、居室(個室)や
トイレなどの掃除は職員の仕事でした。
この病院では、患者さんの床頭台
(患者さんの持ち物を入れる台です。)の掃除のみでした。
清掃は掃除部門の職員がいましたので、
介護に集中することができました。
記事が長くなってきましたので、次回に続きます。
次回は、働いてみて大変だったこと、楽しかったこと
などを書きたいと思います。
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