漫画『あした輝く』全3巻 (里中満智子)の 感想

本・漫画
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先日の朝日新聞の「(語る 人生の贈りもの)」の欄で、
漫画家 里中満智子の
特集が組まれていました。

里中満智子と言えば、
受験の時の日本史対策として、
『天井の虹』などを読んだことを
思い出しました。

朝日新聞の記事で、
満州からの引き揚げから
戦後の日本を描いた
『あした輝く』について
紹介されていましたので、
読んでみました。

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あらすじ

満州・奉天で
夏樹病院の院長の一人娘として
何不自由なく育った夏樹今日子。

加賀中尉にプロポーズされましたが、
部下である速水香を好きになります。

そして終戦。
早く引き揚げないと
日本に帰れなくなるので、
夏樹院長を始め、
女学校の先生や近隣の人と
命からがら港を目指します。

その道中、
父である夏樹院長は
命を落としてしまいます。

励ましてくれたのは、速水香。
二人は結ばれ、
子どもを授かります。

速水は、
今日子たちを逃がすため、
自ら犠牲となり、
ロシア軍に捉えられました。
小屋の中から響く銃声。

そして、物語は
帰国した今日子のその後の生活を
描いていきます。

感想

満州で
何不自由なく育てられ、
天真爛漫で
中国人と日本人を分け隔てなく
接してきた今日子。

戦争が
その豊かな生活を
一変させました。
その落差が痛々しいです。

満州からの引き揚げの過酷さ、
無事日本に帰ってきても、
生活を1から
スタートしなければならないこと、
戦争から帰ってきたことによる
ダメージなどにも
立ち向かわねばならないのだなと
感じました。

恋人や夫婦、家族が、
戦争によって、
その運命の中で
生きていかなければならない現実。

終戦を迎えて何年もたっても
戦争により運命が狂わされていること。

当時の人の強さ、
強くあらねばならなかったことは、
現代に生きる私にとっては、
まねできそうもありません。

事故や病気、天災は
避けられないこともありますが、
戦争のように
人の力によって引き起こされてしまうことは、
なんとか避けられないのだろうか
と感じます。


いつの時代も戦争がなく、
穏やかに暮らせるよう
祈るばかりです。

改めて
平和の大切さと
今のありがたさをかみしめた
漫画でした。

 

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